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介護現場の問題点と私なりに考察した解決策

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介護現場の需要は増えているものの、介護労働供給者は足りないというミスマッチが起こっています。

 

将来的には2009年に397万人といわれている介護需要が、2020年には595万人に増加する見通しだという事。

 

このとき必要となる介護労働供給は202万人だと言われていますが、2008年比で約74万人の増加が求められる現状にくらべ、2008年度の介護就業率を将来一定と仮定したケースでは2020年の介護従事者数は116~126万人と推定されており、現実とのギャップが浮き彫りとなっています。

 

その原因と対策について、介護職として働いた経験があり看護師でもある私自身の意見をまとめてみました。

理由① 賃金の低さ

もっとも言われるのは賃金が低いこと。財源の問題から簡単に解決されるものではないようですが、介護職の年収平均はおよそ300万円、月給は約2万円で全産業に比べ10万円ほど低い水準だと言われています。

 

2015年度には事業者の収入となる介護報酬が2.27%下げられたことから、人件費を抑えるためにボーナス削減などが進み、待遇はよくならない状況だそうです。

 

私自身が働いていた介護施設でも、基本料金をできるだけ下げてボーナスの支払い額を減らし、資格手当などで採算をあわせるという対策がとられていました。資格のない30代の男性で基本給が15万円という人もいて、家族を養っている男性にとっては割に合わない状況でした。

 

 

 

理由② 人手不足による過酷な勤務

介護施設は一般的に慢性的な人手不足がつづいており、絶えず求人が行われている状況です。ほとんどの施設では夜勤業務が必要で、仕事自体も入浴介助などの重労働が多く、トイレ介助やおむつ交換など若い人には敬遠されがちな仕事が主流です。

 

仕事の影響で体を壊す人も多く、腰痛は介護者に特に多い症状です。過酷な勤務により離職者が増えることにより、さらに過酷な勤務になるという悪循環が続いています。

 

私自身も人手不足のため夜勤明けに職員が足りず、そのまま夜まで仕事を続けたり、休みの日に急に夜勤の交代にかり出されたりという過酷な勤務を続けた介護職員の一人です。

 

 

 

理由③ 職員の知識不足と意識の低さ

看護師として「病院」で働いた経験と「介護施設」で働いた経験を持つ私の個人的な感想ではありますが、両者には明確なプロ意識の差があったように思います。

 

「病院」は資格をもった看護師と医師が在中しており、最低限の守るべきモラルや医療従事者として最低レベルの知識は備わっていました。

 

しかし介護施設は有資格者が少なくて施設としての方針やモラルも個人の意向にゆだねられることが多く、勤務を急に休んだり、いきなり退職したり、患者さんを危険な状態に追いやる職員が存在したりなど、病院では考えられないようなことが日常的に行われていました。

 

私自身の働いていた介護施設ではその状況を重く受け止め改善を試みようとした看護師がいたのですが、仕事量が増えるという理由で、他の介護職員の猛反対にあい、嫌がらせを受けた看護師が退職するという事態になったことがあります。

 

 

 

私自身の考える改善策とは?

賃金の面での改善はそう簡単にできるものではありませんし、仕事自体も楽にすることはむつかしいようです。まずは職員の意識と人手不足を改善することが先決だと私は考えています。

 

その方法の一つとして介護者を外国人労働者から受け入れるという案があげられていますが、この案について私は条件付きで賛成したいと思っています。

 

その条件とは、まず現在働いている介護職員の知識とプロ意識を高めること。資格取得などを促し、最低限のモラルと知識を獲得したうえで、指導者として優秀な日本人介護者を育てたうえで、外国人労働者を受け入れ、適切な指導を行うことが大切だと思います。

 

そうしなければ、いくらいい外国人労働者を雇っても、嫌な仕事を押し付けらられて長続きしなかったり、十分な指導を受けられずミスをおかしたりしてその案の根本自体がダメになってしまう可能性が高いからです。

 

うまく軌道に乗れば、人手不足が解消され、質の良い施設にはより多くの人が集まり、経営自体も見直されてくるのではないでしょうか。これが発端となり、賃金や仕事内容の見直しを図ることにもつながるのではないかと思います。

 

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